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口腔粘膜に現れる病気

こんにちは、不動前ステーション歯科・矯正歯科の小林です!

不安定な天気が続きますね。東京の梅雨入りは6月中旬だそうですね。

本日は『口腔粘膜の病変』についてお話ししたいと思います。

口腔粘膜に現れる病変の大部分が炎症を伴います。

皮膚疾患の部分的症状や全身的な内科的疾患と密接な関係をもつものもあります。

また、全身的疾患の初発症状として口腔内に現れることも多くみられます。

一般に、口腔粘膜に痛みや腫れがみられると、すべて「口内炎」とされ、ステロイドを含む口腔用軟膏や貼付薬が使用されています。

実際に口腔粘膜疾患の大部分にはこれらの薬が有効で、さらに時間の経過で自然治癒する症例が多くみられます。

しかし、経過観察では治癒しない難治性疾患、口腔がんもあり得るので、疾患の特徴をしっかりと捉える必要があります。

では、口腔粘膜疾患の特徴を一つ一つ見ていきましょう。

〈水疱を形成する疾患〉

水疱形成を主徴とするものは、ウイルス性疾患がほとんどです。

単純疱疹(単純ヘルペス)

単純疱疹ウイルス(HSV: herpes simplex virus)の感染で発症します。

(1)疱疹性口内炎(ヘルペス性口内炎)

単純疱疹ウイルスの感染で発症します。

特徴として、6歳以下の小児に好発し、約1週間の潜伏期の後に口腔粘膜に小水疱が多数発現します。

水疱は破れてびらんやアフタ様になります。痛みがあり食事摂取が困難になります。

症状が発現して1〜2週間で自然治癒します。

この初感染の後、ウイルスは脊髄知覚神経細胞に移行し、長く体内に潜伏し、将来的に三叉神経痛を発症することがあります。

(2)口唇疱疹(口唇ヘルペス)

成人に好発します。

紫外線、疲労、感冒などが原因で、体内に潜伏していた単純疱疹ウイルスが再感染します。

1週間から10日で治癒します。

帯状疱疹

水痘・帯状疱疹ウイルス(VZV: varicella zoster virus)の感染症の回帰発症です。

回帰発症とは、病原体が体のどこかに潜み、無症状の期間の後に臨床症状が出現することをいいます。

VZVは初感染時には水痘(水ぼうそう)を生じますが、ウイルスは体内、特に脳神経、脊髄神経節に潜伏します。

ウイルスが再活性化されると、それらの神経支配領域に一致して片側性に帯状の発疹と水疱を生じます。

三叉神経に罹患すると三叉神経痛様の激しい疼痛、顔面神経に罹患すると顔面神経麻痺を起こし、表情に変化が出ます。

疼痛は水疱ができ始めてから10日前後がピークで、水疱の乾燥とともに3〜4週間で消失します。

3〜4週間ほどで自然治癒することが多くみられます。

後遺症として痛み(慢性痛)が長時間続くことがあり、特に高齢者では多くなります。

体力が低下している場合が多いので、安静と栄養補給が大事になります。

また、口腔粘膜の痛みで経口摂取が制限される場合には、静脈栄養や経鼻経管栄養を早期から行います。

細菌の二次感染予防が必要で、口腔ケアや顔面皮膚の洗浄と清潔保持が重要です。

次回も口腔粘膜の病変についてお話ししていきたいと思います!


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