こんにちは!不動前ステーション歯科・矯正歯科の小林です!
最近健康のためにランニングを始めました。
雨の日が多くてあまり走れていないのですが、頑張って継続したいと思います!
さて、本日は更年期障害とお口の関係性についてお話しします。
〈更年期障害とはどんな病気?〉
女性の閉経前後の10年間を更年期と呼びます。
この時期には女性ホルモンの減少にともなって、身体変化や体調不良が起こります。
これらの症状で他の病気をともなわないものを更年期症状といい、日常生活に支障をきたす状態を更年期障害といいます。
分類 | 症状 | |
早期症状 | 血管運動神経症状 | ほてり、のぼせ(ホットフラッシュ)、 発汗、動機、息切れ、めまいなど |
精神神経症状 | 手足のしびれ、憂うつ、疲労感、意欲低下、 無気力感、物忘れ、頭痛、不眠、不安、いらいらなど | |
その他 | 肩こり、腰痛、腰の冷え、皮膚萎縮、尿失禁など | |
晩期症状 (生活習慣病) | 脂質異常 | 高脂血症、虚血性心疾患、脳血管障害など |
骨・カルシウム代謝異常 | 骨粗鬆症 |
〈何が原因?〉
原因はエストロゲンの減少で、これに環境因子やストレスが加わることにより、症状が自覚されるようになります。
〈どんな検査・治療をする?〉
血中のホルモン濃度が、1つの目安になります。
自覚症状に応じた臨床検査や心理検査が行われますが、多くの場合、症状に見合う器質的な変化は見られません。
エストロゲンの低下に対しては、ホルモン補充療法が行われます。
その他、対症療法として、薬物療法やカウンセリングなどの精神療法があります。
〈どんな薬を使用している?〉
ホルモン補充療法にはエストロゲン製剤を用います。
プレマリン®︎やエストリールなどの内服薬の他、貼付薬(エストラーナ®︎テープ)があります。
さらに症状に応じて、自律神経調整薬(グランダキシン、ハイゼット®︎など)、抗不安薬(デパス®︎、ドグマチール®︎など)、消炎鎮痛薬、漢方薬などが用いられます。
〈生活上で気をつけることは?〉
女性ホルモンの減少により、発症のリスクが増加する疾患として、骨粗鬆症、高脂血症、虚血性心疾患、脳血管障害、糖尿病などが挙げられます。
これらはいわゆる生活習慣病であり、環境や生活習慣因子が加わることにより進行します。
そのため、食生活に注意し適度な運動により閉経後の肥満を予防します。
また、ストレスの軽減には、十分な休養が不可欠です。
一方、喫煙や過度の飲酒は危険因子となります。
〈口腔の影響は?〉
更年期障害の症状は多彩であり、時に口腔の乾燥や舌の痛みを訴え、歯科を受診する患者様もいます。
また、更年期には対人関係や子どもの独立、家族の病気や介護、死亡などで心因性ストレスを感じやすく、「うつ」を引き起こすことが少なくありません。
「うつ状態」も口腔乾燥や舌痛症の原因となります。
そのため、症状を確認し口腔内に器質的な変化がみられないときには、更年期障害やうつ病を疑い、専門医の受診を勧めます。
更年期やうつ病のスクリーニングには更年期スコアを用いると簡単に調べることができます。