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認知症の症状とケアについて

こんにちは、不動前ステーション歯科・矯正歯科の小林です(^^)/

本日は『認知症』についてのお話です。

超高齢社会の日本で認知症患者は年々増加しています。

認知症について正しく理解することで、ケアの仕方も変わってきます。

それはお口のケアも一緒です。

まず、認知症とはどのような状態のことをいうのでしょうか

認知症は「いったんは正常に発達した知的機能が、その後に起こった慢性の脳の器質的障害のために広汎に継続的に低下し、社会生活を営めない状態」(WHO)と定義されています。

また高齢者のみにみられるものではなく、若い人にも出現します。

<認知症の精神症状>

認知症で生じる精神症状は中核症状周辺症状に分けられます。

中核症状は認知症に必ずみられる症状で、記憶や判断力、失語、失行、失認などの知的機能、段取りが分からない、予定が立てられないなどの実行機能障害が含まれます。

周辺症状とは、中核症状によって二次的に出現するさまざまな精神症状や行動の障害を指します。

中核症状(必ずみられる症状)周辺症状(身体の状態や環境によって影響される)
・記憶障害
・実行機能障害
・失行(道具の使い方が分からない)
・失語(物の名前が出てこない)
・失認(物を見ても何か分からない)
・抽象的な考え方ができない
・夜中に急に騒ぎ出す(せん妄)
・実際にないものが見える(幻視)
・財布や物を盗まれたという(物盗られ妄想)
・不眠
・無目的に歩き回る(徘徊)
・食べ物以外のものを口に入れる(異食)
・些細なことで声を荒げたり、手をあげたりする など

認知症と間違われやすい症状があります。

物忘れ:認知症による物忘れは体験全てを忘れるのに対し、老化による物忘れでは体験の一部を忘れる点で異なります。認知症の場合、ヒントがあっても思い出しにくいが、老化の場合はヒントがあれば比較的容易に思い出すことができます。

うつ:うつの症状は老化により変化し、60歳以降では心気、不安、焦燥、自責感、妄想などが多くなり、自殺企図に至ることもあります。また、計算を間違えたり時間の感覚が不確かになることもあります。

せん妄:軽い意識障害、幻覚と運動不穏を伴う状態をいいます。幻覚に脅かされ、落ち着かず歩き回り、大声で泣いたり、怒鳴ったりする状態が突然出現します。夜間に増悪することが多く、状態の変化が特定できることが特徴です。

<認知症の治療とケア>

アルツハイマー型認知症などに対して、現在のところ根本的治療薬はありません。

早期に認知症であることを把握することが認知症の進行を遅らせることに繋がります。

周辺症状でみられる、うつ状態、せん妄は薬物療法が有効な場合もあります。

本人や介護者に危険が及ぶと判断される状況がある場合は積極的に薬物療法を行いますが、副作用による覚醒障害や嚥下障害などの神経系へ影響がある為、一連の周辺症状に対する薬物療法は極力行わず、ケア的な視点からコントロールする考えが主流になってきています。

口腔内は、自ら口腔清掃ができなくなるため清掃不良になりがちです。

また、周辺症状の中で介護者の手助けを嫌がる症状もみられるため、より口腔状態が悪化していきます。

介護者のみでの口腔清掃が困難と感じた時には、ぜひ歯科医院にご相談ください。


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