こんにちは、不動前ステーション歯科・矯正歯科、歯科医師の壱岐聰一郎です。
今回のブログでは以前に説明した噛み合わせのゴールの一つ目についてお話させていただきます!!
まずは前々回のおさらいから。
噛み合わせの治療のゴールは3つ!!
1ぐっと噛んだ時に奥歯4本(犬歯の後ろの歯から一番後ろの歯まで)が均等に全て噛んでいること
2、歯ぎしりをした時、犬歯だけ、もしくは犬歯を含む前後何本かの前歯と小臼歯(犬歯の一本後ろの歯とさらにその後ろの歯、図の緑色の部分)のみで奥歯が離れること
3、筋肉がリラックスしたままお口を閉じてきた時に全ての奥歯が同時に噛めること
です。
そのうち今回は1番目の部分について詳しくお話させて頂きたいと思います。
ぐっと噛んだ時に奥歯犬歯(前から3番目の歯)より奥の歯(小臼歯・大臼歯)
(前から4番目以降の歯)が均等に噛んでいる事。
今この文章をを読んで頂いているのが健康な噛み合わせの方の場合は当たり前に感じるかもしれません。しかし、逆にいうとこの条件がしっかりしているので健康でいられているのかもしれません。
以下の方は注意が必要かもしれません。
・虫歯や歯周病などの原因で歯を抜いた。
・抜いた部分に適切な処置がされていない。
(入れたブリッジやインプラントがしっかりと反対の歯と噛んでいない)
・歯列不正(歯並びが良くない)で噛んでる歯と噛んでない歯がある。
・以前に入れた詰め物・被せ物が高い・低い気がする。
(高い詰め物と入れても人は顎をずらす事でその高い詰め物を数日のうちに受け入れてしまうことがあるので入れた翌日くらいには高い気がしていたら早いうちに修正するのが望ましいでしょう。)
・前歯の被せ物をしてから顎が痛い、違和感がある。
以上の項目に心当たりのある方は、噛み合わせの専門医への相談が必要かもしれません。
では、なぜ奥歯が均等に噛んでいるのがいいのか?
それはとても単純です。
1本や2本の歯では人の噛む力に耐えられないからです。
人の噛む力はとても大きな力がかかります。
大体ご自身の体重の+30~40kgの力がかかると言われています。
それだけの力は複数の歯で噛んでやっと支えられるものです。
奥歯が均等に噛んでいないと当然、その力は少数の歯で支えなくてはなりません。
つまり1本あたりの歯にかかる力は何倍にもなってしまいます。
その大きな力がかかってしまった歯はその荷重に耐えられず、崩壊の道を辿ってしまうことがあるのです。
なので1本の歯を入れる際にも私は相当細かく噛み合わせの調整を行います。
通常使用される噛み合わせの器具よりさらに細かく調整していきます。
通常では40μ㎜の咬合紙と呼ばれるもの
当院で使用の物(シムストック)10μ㎜
つまり厚み4分の1のもので調整していきます。
その分精度も高くなります。
さらにそれだけでは分からないものに関しては
・患者さんにカチカチ噛んでもらった音
・患者さんがカチカチ噛んでいる時の歯の触り心地
・咬合紙に印記された後
・入れた歯の前後の歯の噛み合わせ状態
なども確認して細かく細かく調整します。
だから1本の歯を治すだけでも違和感が出たり、痛みが消えなかったりするのです。入れた直後から噛むと痛いや、しみるなどの症状がある場合は噛み合わせの調整が十分でない可能性も考えられます。
もしそのような症状でお悩みの方は是非ご相談ください。