今回は噛み合わせ治療の第4回です。
不動前ステーション歯科・矯正歯科、歯科医師の壱岐聰一郎です。
当クリニックでは歯科矯正と噛み合わせの担当をしています。
では今回は歯を失う原因から噛み合わせについて考えていきましょう。
歯を失う原因1位、2位はなんと言っても虫歯歯周病です。
この2つの疾患で歯を失う原因の9割を占めています。
では二大疾患をどのように防いで行けばいいでしょうか!?
虫歯も歯周病もどちらも細菌が原因の疾患です。
虫歯は虫歯菌、歯周病は歯周病菌が原因で起こります。
これは紛れもない事実です。
なので日々の生活でこの細菌のコントロールをしていく事は本当に重要です。
つまり、毎日の歯ブラシをしっかりと行なっていく事、自分だけで落としきれないプラーク(歯垢)や数ヶ月経つとついてきてしまう歯石を定期的に歯科医院で除去していく事が大事です。
自分の歯ブラシでしっかり虫歯になりやすい場所がしっかり磨けているのかをまずチェックしてもらうと良いでしょう。
歯科医師の私ですら完璧に磨き切るのは至難の技です。
ある論文データをご紹介します。
歯科学生に歯を磨いてもらってある程度プラーク(歯垢)が取り切るにはどれくらいの時間が必要かという実験をしたものがあります。
結果は・・・・・。
15分です。
みなさん一回の歯ブラシで15分も時間をかけて磨いていますか!?
なかなか出来ないですよね。
だからこそ自分がどこを磨くのが苦手なのか、いつも磨き残してしまうのはどこなのかを知る事で効率よくしっかり磨き切ることが必要です!
少し脱線しましたが。
ではこの細菌たちのコントロールがうまくいっていれば確実なのでしょうか!?
それがそんなこともないというのが私の臨床実感です。
ある患者さんのお話です。
ずっと永く定期検診に来てくれていて、歯ブラシも上手な患者さんでした。
しかし、虫歯が出来てきてしまいました。
しかも前から4番目や5番目の歯です。
歯並びにも目立った重なりはありません。
フロスもしっかり使っていてくれました。
奥の方の歯なら磨けなかったのかなという予想も立てられたわけですが前の方の歯だったのでなかなか考えづらいなと思いました。
その歯だけを飛ばして磨く事はないですよね!?
そしてその歯の虫歯の治療の前に歯をよく観察してみました。
そうすると歯に大きくヒビが入っていました。
そのヒビに細菌が入り込んでしまって虫歯になってしまったのです。
流石にひび割れの中まで磨く事はできないですよね。
ではなんでこのひび割れが起きたのかというと、第3回でお話した噛み合わせのゴールの三つのうち一つが満たされてなかったんです。
3つ目のゴールです。
筋肉がリラックスしたままお口を閉じてきた時に全ての奥歯が同時に噛めること
ここが満たされていなかったわけです。
この筋肉がリラックスした噛み合わせの位置とぐっと噛んだ時の位置のズレに関してはまた後の回で詳しくお話しますが、ここに大きなズレがあってその虫歯だった歯が最初に当たってそこがらずれて全体が噛むような噛み合わせだったので、噛むたびにそこが最初に当たりダメージを受けてしまっていたと考えられます。
なのでここに虫歯が出来たからといってこの歯の虫歯を単純に治すだけではまた再発してしまうでしょう。
詰め物、被せ物が取れたり、また虫歯になってしまうでしょう。
なので私は虫歯をとって最終的な詰め物を入れる前に噛み合わせの治療(咬合調整)をし、全体が同時に筋肉のリラックスした位置で噛めるようにしてから治療を終えていきました。
虫歯とや歯周病には必ず原因があります。それを除去する前にそこだけ治してもまた悪くなるか、その他の歯に負担が移ってしまってそちらの歯が問題を起こしてきてしまうでしょう。
なので100年持たせるためには
・虫歯がない事
・歯周病がない事
それに加えて
・噛み合わせに問題がない事
が重要と考えています。
たくさんの歯に対して治療が必要な方、何回も同じ歯に対して治療をしている方をはじめ第2回でお話させていただいた項目に当てはまる方は是非日曜日出勤の壱岐までお問い合わせください。
お待ちしております。