生まれたばかりの赤ちゃんのお口には、むし歯菌はいません。
では、なぜむし歯になってしまうのか。
それは、むし歯菌が身近な大人からうつってしまうからです。
親から子への感染のしくみ
むし歯菌は、赤ちゃんのそばにいるお母さんやお父さんなど、身近な大人からうつります。
そのしくみは、コップやお箸などの食器の共有や、熱い物を冷ますためにフーと息をかけたり、大人が噛んだものを与えたり、愛情表現のキスをしたりすること。
つまり感染を避けるには、食器を共有しないよう注意するほか、お父さんお母さん自身のお口からむし歯菌を減らしておくことが大切です。
大人の方は、ご自身のためはもちろん大切なお子さんのために、歯科医院で検査を受け、治療やクリーニング、日頃からメインテナンスに努めましょう。
感染の窓
むし歯菌は硬い組織に棲む性質があるため、お子さんのお口に虫歯菌がうつっても、歯がないときにはとどまることができません。しかし歯が生えてきたときには、ここぞとばかりに定着を図るのです。
この、乳歯が生えてくる2歳前後の時期を「感染の窓」といいます。この時期にむし歯菌がうつらなければ、その後もむし歯になりにくいといわれています。
親御さんはこの時期にとくに注意するようにしましょう。
だらだら食いをしない
お口の中では、歯からカルシウムが溶け出す「脱灰」と、
再びカルシウムが歯に戻る「再石灰化」が繰り返されています。
再石灰化には時間が必要となりますが、だらだら食べをしているとそのタイミングが失われ、歯は溶け続けて虫歯ができてしまうのです。
食べものをちょこちょこ食べ続けていたり、ジュースやスポーツドリンクを水分補給として飲んだりしていては、むし歯のリスクを高める一方です。
食事やおやつは時間を決めて与え、食後にはブラッシングするなどして、「再石灰化」のタイミングをつくることが予防のカギなのです。