こんにちは。
今回は噛み合わせ治療の第3回です。
不動前ステーション歯科・矯正歯科、歯科医師の壱岐聰一郎です。
当クリニックでは歯科矯正と噛み合わせの担当をしています。
今回は噛み合わせの治療をする歯科医師がどんなゴールを目指して治療を行なっているかというお話をさせて頂きます。
噛み合わせの治療のゴールはざっくりいうと3つです!!
- ぐっと噛んだ時に奥歯4本(犬歯の後ろの歯から一番後ろの歯まで)が均等に全て噛んでいること
- 歯ぎしりをした時、犬歯だけ、もしくは犬歯を含む前後何本かの前歯と小臼歯(犬歯の一本後ろの歯とさらにその後ろの歯、図の緑色の部分)のみで奥歯が離れること
- 筋肉がリラックスしたままお口を閉じてきた時に全ての奥歯が同時に噛めること
少し文章のみで書くと分かりづらいかもしれないので次回以降にこの三つについて自分でどうやって確かめたら分かるかを書いていきたいと思います。
この三つが備わった時に均等に噛み合うことができ、異常な力(寝るときの歯ぎしりなどのかかっては欲しくない力)から歯・歯を支える骨・顎関節を守ってくれるのです。
ここであるデータをお見せいたします。
Occlusion of Octogenarians With at Ieast 20 teeth
(H.Miyazaki, E.Motegi J Dent Res 78(5),1999)
8020達成者、80歳で20本の歯がしっかり残っている方々を集めてその方々がどんな噛み合わせをしていたかというデータです。
これを見ると達成者のほ半分以上は正常な噛み合わせの人、20%位が出っ歯気味の人、もう20%は深く噛み込んでいる人でした。
つまり、
前歯の先端同士が噛んでしまっている人(切端咬合)
前歯が反対に噛んでしまっている人(反対咬合)
前歯が噛んでない人(開咬)
の人は一人もいなかったのです。
前歯が機能していないと奥歯に負担がかかってしまって、長く異常な力がかかり続けて歯を失うことになってしまったのです。
このように100年を生きる今、単純に虫歯の予防・歯周病の予防をしているだけでは歯は何十年も機能してくれないのです。
歯は消耗品であると考え、異常な力から守ってあげることが永く健康な口腔状態を維持する肝になっていきます。
次回は歯を失う原因、どうしたら歯を永く守れるかについてお話させて頂きます。
噛み合わせにお悩みの方は日曜日出勤の壱岐までお問い合わせください。
お待ちしております。