こんにちは、不動前ステーション歯科・矯正歯科の小林です^^
段々と気温が上がってきて蒸し暑い日が続きますね。
体調を崩さないように注意してくださいね。
さて、本日も『口腔粘膜に見られる病気』についてお話ししたいと思います。
その中でも今回は白斑を主徴とする疾患についてお話しします。
〈白板症〉
擦過しても容易に除去できない斑状あるいは板状の白い病変を白板症または白斑症といいます。
紅板症とともに前がん病変とされていましたが、最近は潜在的悪性疾患と呼ばれています。
中高年の男性に多く、頬粘膜、舌、口腔底に好発します。
喫煙も原因の一つとなります。
①症状:境界明瞭な扁平またはイボ状の白斑が、通常は角化しない口腔粘膜に生じます。痛みはありません。
びらん部分が混在した場合は悪性病変を疑います。
②治療:上皮性異形成、上皮内がん、初期浸潤がんの可能性があるので、細胞診・病理組織検査を行い、良性であっても継続的な経過観察を行います。ときには病変部を全切除し、病理組織検査を行って確定診断とする切除生検を行います。扁平上皮がん、扁平苔癬、肥厚性カンジダ症などとの鑑別が重要です。
②口腔カンジダ症
Candida albicansを中心とするカンジダ菌によって引き起こされる日和見感染症です。
要介護高齢者など口腔清掃不良者に好発し、比較的多く見られる粘膜疾患です。
発生の誘因として悪性腫瘍、血液疾患、結核、糖尿病などの基礎疾患の存在がありますが、抗菌薬の長期投与による菌交代現象も多く見られます。
ステロイド含有口腔内用軟膏や貼付薬の長期投与、気管支喘息患者の吸入ステロイド薬使用で頻発します。
最近ではエイズの早期に見られる口腔症状として注目されています。
①分類と症状:口腔カンジダ症には以下の4つがあり、検査に基づく診断と治療が必要です。
(1)偽膜性カンジダ症:点状の白苔が帯状に拡大し、易剥離性であり、剥離されると易出血性が見られます。白板症との鑑別にも使用されます。
(2)紅板性あるいは萎縮性カンジダ症:慢性の場合、義歯性口内炎とも呼ばれ、義歯床下粘膜に生じます。多くは無症状ですが、ときに患部の浮腫や疼痛が見られます。急性の場合は、抗菌薬やステロイド薬などの長期投与により発症します。舌にも好発し、紅斑や疼痛が見られます。
(3)肥厚性カンジダ症:厚くなった白色偽膜が粘膜表層に固着して粘膜上皮層の肥厚と角化亢進を示します。外用抗真菌薬は深部に浸透せず無効であるため、抗真菌薬の全身投与を行います。
(4)カンジダ性口角炎:高齢者に多く、口角部の粘膜と皮膚にできた亀裂部にカンジダ菌が増殖します。
②治療:抗真菌薬のミコナゾール、イトラコナゾールほかの局所的・全身的投与、口腔清掃や義歯洗浄など口腔衛生状態の改善、原因の除去および体力の回復が重要です。