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口腔粘膜に現れる病気②

こんにちは、不動前ステーション歯科・矯正歯科の小林です(^ ^)

本日も前回に引き続き、口腔粘膜に見られる病変についてお話しします。

〈水疱形成を主徴とする疾患〉

①ヘルパンギーナ

コクサッキーウイルスAを主体としたエンテロウイルスの感染です。

夏に流行し、乳児や小児に多くみられます。

軟口蓋などに直径1〜2mmの小水疱やアフタが発現して痛みが現れます。

2,3日の潜伏期の後、38~40℃の発熱が見られます。

有効な治療法はなく自然治癒を待ちますが、水分と栄養補給が重要となります。

うがいを頻繁に行い、痛みと発熱に対しては非ステロイド性消炎鎮痛薬を投与します。

④手足口病

いくつかのウイルスが原因で生じます。

最も一般的なのはコクサッキーウイルスA16で、このほかのエンテロウイルス71なども原因となります。

いずれのウイルスでも現れる症状は同様です。

夏に流行し、幼児や小児に多く見られますが、成人にも発症することがあります。

発熱がありますが、1~2日で解熱し、その後に口腔粘膜の水疱やアフタ、手掌・手指や足の裏に発疹と水疱が見られます。

ほとんどの人が1週間から10日間で自然治癒します。

合併症はほとんどありませんが、まれに髄膜炎などの中枢神経症状が発生することがあります。

⑤麻疹(コプリック斑)

麻疹ウイルスで発症する麻疹において、皮膚に発疹が発現する1~4日前に両側頬粘膜に1~3mmの灰白色の扁平な斑点が見られます。これをコプリック斑と言います。

日本では90%以上に発現すると言われています。

毎年数万人発病して約50人が死亡しています。

日本ではワクチン接種率が約70%と低くなったことも原因と考えられ、最近では1歳を過ぎたら麻疹ワクチン接種をするように勧めています。

⑥天疱瘡、類天疱瘡

天疱瘡、類天疱瘡は、口腔粘膜や皮膚に生じる難治性の水疱とびらんを特徴とする比較的稀な自己免疫性水疱性疾患です。

両疾患とも、1. 口腔に限局するもの、2. 口腔と皮膚に発症するもの、3. 皮膚に限局するもの、の3型があります。

両疾患とも剥離性歯肉炎の臨床像となる場合があり、歯周病との鑑別が重要となります。

口腔粘膜に多発性水疱を形成する特徴があります。この水疱が機械的刺激が加わると水疱が壊れて内容液が溢出し、粘膜が剥離します。

尋常性天疱瘡は代表的な疾患で、初発症状の60%以上が口腔粘膜に見られます。

口腔粘膜など粘膜に主として発症する類天疱瘡を粘膜類天疱瘡と呼んでいます。


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