こんにちは!不動前ステーション歯科・矯正歯科の小林です^_^
本日は前回に引き続き『歯周基本治療の内容』についてお話ししていきたいと思います。
歯周病は慢性疾患であり、疼痛を伴うことなく長い時間をかけて進行するという特徴があります。
したがって、歯の動揺や歯肉の腫脹といった自覚症状のない歯周病患者が多く存在し、歯科医院を受診し、歯周病と診断されたとしても自身が歯周病に罹患しているとただちに理解することは難しいものです。
歯周病の主たる原因はプラークであり、プラーク除去のために患者自身が行い口腔清掃は歯周治療を行ううえで大変重要な意味を持っています。
実際、歯周治療の過程で、患者自身が口腔の健康状態を回復するための努力と行動を起こさなければ、効果的な歯周治療は成功しません。
そのためにも治療を始める前に患者自身が口腔内の現状を把握し、歯周病の原因と悪化を招くリスクファクターについて理解する必要があります。
〈1.口腔衛生指導〉
歯周病の主な原因であるプラークはその付着部位により歯肉縁上プラークと歯肉縁下プラークに分類されます。
歯肉縁下のプラークコントロールは歯肉縁上プラークがコントロールされた場合にのみ効果があります。
また歯肉縁上プラークのコントロールの主体はセルフケア、つまり患者自身のブラッシングであることから、そのコントロールを目的とした口腔衛生指導は非常に重要な治療ステップです。
〈2.スケーリング・ルートプレーニング〉
歯石はそれ自体には歯周病原性はありませんが、歯石が存在することによって細菌性プラークの付着・増殖が助長されるため、歯周病を発症・悪化させると考えられています。
スケーリングとは、歯面に付着したプラーク、歯石、沈着物の除去を行うことです。
スケーリングするための器具には、手用スケーラー、音波スケーラー、超音波スケーラーなどがあります。
ルートプレーニングとは、細菌や内毒素なとによって汚染された病的セメント質問や根面の虫歯による軟化象牙質を除去し、根面を滑沢にすることです。
根面を滑沢にすることで、プラークの根面への再付着を予防することを目的としています。
通常、ルートプレーニングはスケーリングによって歯石が除去された根面に対して同時に行われます。
〈3.う蝕(虫歯)、硬組織疾患の処置〉
歯面の歯石以外のプラークリテンションファクターとしては辺縁不適合な修復物・補綴物や歯頸部付近のう蝕などがあります。
そのような部位ではプラークが停滞し十分な口腔清掃を行うことが難しいため、炎症の原因となります。
したがって、歯周基本治療時にう窩の充填、適合の良い暫間被覆冠(仮歯)を装着することでプラークの停滞しやすい環境をなくす必要があります。