こんにちは、不動前ステーション歯科・矯正歯科の小林です(^^)/
前回に引き続き、『虫歯予防のための食生活』についてお話したいと思います。
②規則正しい食生活習慣の獲得
頻回な食事は虫歯リスクが高いとされています。
そのことを示したのが”ステファンカーブ”です。
飲食をするたびに人間の口腔内のpHは酸性に傾きます。
pHが5.5以下(臨界pH)になると歯の表層を覆うエナメル質が溶け出してしまいます。
低下したpHは時間の経過(約1時間)とともに再び中性に戻ります。
この間に頻回に食事を摂ってしまうと、pHが中性に戻り切れず、歯が溶け出しやすい環境になってしまうのです。
重度の虫歯に罹患した小児の食生活を調べると、間食が非常に多いことに加えて、3度の食事を規則正しく十分に摂取できていない場合が多いのです。
間食は食事の一部でありますが、まずは3度の食事を規則正しくとるようすることが重要です。
③乳児期・幼児期に注意すること
乳児期は、離乳食の時期であり、離乳食は、①栄養の補給、②摂食機能の発達、③消化機能の発達、④正しい食習慣の確立と精神的発達を意義としています。
この離乳期に適切な離乳過程を修得しないと、食物を上手に食べることができなくなることがあります。
また、乳幼児期に不規則な授乳を受けていた小児は、幼児期になると間食回数が増え、虫歯罹患率が高くなる傾向があります。
哺乳ビンの使用については。離乳の完了に合わせて1歳6か月児健康診査の頃をめどに終了することが望ましいとされています。
これ以降継続して使用すると、哺乳ビンは小児に持たせたまま放置できるため、だらだら飲みに繋がりやすくなります。
また、就寝時に母乳を飲ませながら寝かせたり、哺乳ビンにイオン飲料やジュース、乳酸菌飲料などを入れて飲む習慣のある小児に、哺乳う蝕(虫歯)が発生することがあります。
小児は唾液分泌量が多いですが、睡眠中には唾液の分泌がほとんどなく、就寝前のイオン飲料の摂取により、口腔内細菌が酸を産生し、口腔内のpHが臨界pH(pH5.5)以下に低下し、初めに上の前歯から溶け出していきます。
この習慣が続くことにより、その他の歯も溶け出してしまうため、虫歯が多発することになってしまうのです。
幼児期には、食べる楽しみや食物のおいしさを知り、朝食から始まる食事の時間を決めることにより生活リズムを身につける重要な時期です。
家庭だけでなく、保育所や幼稚園とも連携して正しい食生活習慣を身につけさせる工夫が必要です。
また、食事と一緒に牛乳や水などの飲料を多く与えてしまうことは、食物を噛まずに飲み込む習慣がついてしまうことがあるので、よく噛む習慣を身につけるためにも、食事時の水分摂取については注意を払う必要があります。