嚥下(飲み込むこと)や呼吸、発音などで大切な役割を持っている舌。
実は、舌には正しい置き場所があることをご存知ですか?
◆正しい舌の位置は、上あごの前歯の後ろにある「スポット」と呼ばれる場所です。
スポットとは?
安静時や嚥下時に舌の先が触れる位置です。
ポコッとしたふくらみになっています。
舌が低い位置に下がった状態(低位舌)のまま放っておくと、さまざまな健康被害を及ぼすほか、歯並びにも悪影響が出ます。お子様の場合は、滑舌が悪くなったり不正咬合にも繋がります。日々の意識やトレーニングで正しい位置を覚えましょう。
お口の中は、バランスが大事!
歯並びは、舌が外側へ押す力、唇や頬が内側に押す力、上下の歯が咬みこむ力が大きく影響します。
正しい力のバランスを保ち、きれいな歯並びにするために、健康なお口を維持しましょう。
舌の位置が正しくないと何が起こる?
舌を正しい位置にキープできないと舌の筋力は衰え、その結果、さまざまな悪影響を及ぼします。
詳しくみていきましょう。
口呼吸になりやすい
舌の筋力が低下すると舌が重力に逆らえなくなり、口が開いた状態になりやすくなります。
その結果、口呼吸の傾向が強まり、呼吸と一緒に空気中に浮遊するウイルスや雑菌などを直接体内に取り込みやすくなってしまいます。
食べる力が低下する
舌は食べるときの動きをスムーズにしてくれる役割があります。噛んだ食べ物をひとまとめにし、食べ物を喉に押し込んで飲み込むのを手伝ってくれるのです。
舌の力が低下すると食が細くなり、食欲や体力の低下にも繋がります。
滑舌が悪くなる
アナウンサーやナレーターなど、喋りの仕事に就いている人たちは、滑舌のトレーニングを定期的に行なっています。彼らのように言葉をはっきりと力強く発して人に聞き取ってもらえるようになるためには、滑舌練習による舌の筋力強化が必要不可欠です。
普通の生活を送るのにアナウンサー並みの滑舌強化は必要ないかもしれません。しかし舌の筋力の衰えによって滑舌が著しく悪くなると、発音が聞き取りにくくなるので、周りとのコミュニケーションが難しくなってしまうことも考えられます。
歯並びが悪くなる
前歯をずっと押し続けるような舌癖があると、前歯は徐々に外に向かって動いてしまいます。そのため開咬(奥歯が噛み合っていても、前歯が噛み合わず隙間ができる状態)になる可能性も高いでしょう。
歯列矯正の「後戻り」の原因になる
舌の悪い癖が原因で歯並びが悪くなった場合、歯列矯正を行っても、歯の移動するスピードが遅かったり、せっかく動かした歯の「後戻り」がみられたりすることがあります。
舌で押す力が働き続ける限り、歯並びが乱れてしまう可能性があるからです。
顔のゆがみやたるみが起こる
舌を正しい位置でキープできない原因の1つとして、舌周りの筋肉が弱っていることが挙げられます。
舌周りの筋肉が弱ってしまうと顔の筋肉のバランスが崩れ、顔のゆがみやたるみが起こることもあります。
正しい舌の位置になるとこんな効果が!
正しい舌の位置になると、さまざまな嬉しい効果があります。
まず舌の位置をキープするために舌周りの筋肉を鍛えることで、首から上の多くの筋肉も同時に鍛えられます。普段使わない筋肉がリフトアップされるので、表情が豊かになるケースも。
同時に顔周りの筋肉が鍛えられることで、小顔効果も期待できます。特に首や顎がシャープになるため、たるみや二重顎に悩んでいる場合は舌を正しい位置に矯正することで改善されるかもしれません。