歯周病の特徴
「歯周病と一言でいっても、歯肉に発赤がみられる程度の歯肉炎から、歯周組織を大きく失い、歯周ポケットからの排膿や歯の動揺を伴う重度歯周炎まで、その病態はさまざまです。
歯周病菌に感染したからといって、いきなり重度歯周炎になるわけではありませんが、痛みがないために、患者さんが自覚しないまま静かに進行していくという特徴があります。
プラークが歯肉炎を引き起こす
プラークが歯肉炎を引き起こすことは、40年以上前から明らかにされています。
正常な歯周組織を持つ被験者にブラッシングと口腔内清掃をすべて中止させ、プラークの組成および歯肉の状態の変化を追った本研究では、プラークスコアの上昇に伴って歯肉炎を発症することがわかりました。また、その後ブラッシングを再開し、被検者の口腔内からプラークを除去すると、歯肉炎が治ることも示されました。これらの研究によって、歯肉炎とプラークの密接な関係が明かされ、プラークが歯肉炎を引き起こすと結論づけられました。
全体をみていくら磨けていても、毎回同じ場所に磨き残しがあれば、その部位だけが悪化していくという、いわゆる”歯周病の進行の部位特異性”も、このような磨き残しやすい部位に起こります。
歯肉炎は治すことができる
個人によって差はありますが、本研究結果ではブラッシングを再開後遅くとも約10日で歯肉炎が治ることができました。
歯肉炎はブラッシングにより、治癒できるのです。
歯科医院でブラッシング指導をうけ、適切な知識を身に付けましょう。